みどりのある暮らし
借景とい言葉があります。遠くの山並みや、近隣の木々や花などを庭の一部であるかのように取り込む造園技法のひとつです。
その発想は平安時代からあったとされ、遠景の眺望と庭の景色をつなぐことで空間に奥行を持たせたり、
四季折々の自然を身近に楽しむことができます。
京都の町屋に見られる坪庭も考え方は同じです。
間口が狭くて奥行が深い住まいに小さな中庭を設ける事で自然を取り込めるだけでなく、光と風を通すこともできます。
この借景という考え方は現在の住まいにおいても生かされていて、室内に居ながら自然と一体化した暮らしを楽しむ工夫として取り入れられています。
例えば、開口部を大きく照らすや庭と一体化させたリビングなら、居ながらにして光の変化や季節の移ろいを身近に感じることができます。
また、和室や寝室の壁面に小さな窓を設けて外の景色が見えるようにすると、まるで絵画を飾るような効果が期待できます。
庭の景色や遠くの眺めをいかに住まいに取り込むかによって暮らしの心地よさは大きく変わります。
ぜひリフォームの際に取り入れてみてください。