たたむ日本の収納、吊るす欧米の収納
日本の収納は、箪笥という伝統的な家具に代表されるように、
日常的に取り出すという目的では無く、長期間しまい込むというものでした。
そのしまい方は、「たたむ」、あるいは「積み重ねる」という文化です。
機能的にみれば、上のものは取り出しやすいけれど、
下のものは上のものをいったんどかしてから取り出すか、
えいやっと引っ張り出さなければなりません。
ものが無い時代の暮らし方であれば、問題ありませんが、
様々なものを取り出したり、しまい込んだりする現代では、
このような収納では億劫になってしまいます。
日本より一足先に豊かになり、物が増えていく生活を体験した欧米では、
クローゼットに見られるような、「吊るす収納」の文化が根付きました。
手先の器用さやまめさで、不便な収納を使いこなしてきた日本人にくらべて、
不器用なところのある欧米人は、簡単に片付く収納の文化が発展したようです。
私たち日本人は、洋風の生活スタイルを積極的に取り入れてきましたが、
ルーズに使える収納の工夫や文化については、まったくといっていいほど
取り入れてこなかったようです。
日本の収納計画には革命が必要です。
ルーズに使える収納計画が、リフォームの肝になるのではと思います。